RPのマスタリング

私がキャラクターを動かす時に何を考え、どうやって言動のマスタリングをしているのか。言語化するのが難しいところではありますが、敢えて言葉にするのならばこんな感じ、ということで書かせて頂きます。

 

 

私にとって、キャラクター(PC)と自分(PL)の関係は「本体」と「代弁者」です。表現をお借りするのでしたら「代弁者」は「守護霊」と読み替えても良い。PCはシナリオという物語の世界に居て、彼(あるいは彼女)の行動・感情を読み取ってKPさんや他のPLさんに伝えるのがPLである私の役目です。PCにはPCの個性や自我があるので、彼らの振る舞いや情動の全てがPLと一致することはありません。もちろん、「PCはPLを越えられない」とはよく言われることですし、似たところや近いところはありますけれども…。

とまれ、基本的にはPL≠PCです。しかし完全にPCの好きなように行動させてしまうと屡々問題が生じます。特に1対1ではなく1対複数の一般的なセッションにおいては、PCの言動はある程度「うまいことやる」必要があります。マスタリングは常に行われています。それをどうやってやっているか。

これは日常生活でもあると思うのですが、会話で、行動で、次に何を行うかは色んな選択肢の中からその時々に選ばれているのではないでしょうか。例えば、相手の発言に対してこちらは出せる手札がA・B・Cの3枚あるとして、実際にどれを選ぶかは気分次第でしょう。微妙に間が悪くて3枚のうちのどれも選べず、言いのがしたりとかもあるかもしれません。PCの行動・発言を同卓の方々へ伝える時、私はPCの代弁者としてこの手札の存在を感じています。どれもPCの振る舞いとしては違和感のない有り得るものとして、その中のどれを選ぶかはPLである私の権限の範疇。だから、キャラクターらしく、かつ、なるべく卓としての最善を行ける札を選ぶようにしています。これが私の考える代弁者としてのPLの役目でありマスタリングです。

…と、なんだか偉そうに宣っていますけれども……実際のところ、ボイセでこれが出来るようになってきたのは最近ようやくといったところです。テキストでのロールだと落ち着いて考えられるのですが、ボイセはタイムラグのほぼ無いリアルタイムで発言しなければいけないので、4月くらいまではPLとして動くのに精一杯でした。キャラクターとしてどうか?という思考を働かせるのには慣れが必要だと感じていましたので、キャラメイクもかなり浅めのラインで抑えながら。今すごく楽しくキャラロールできているのはPLとしての経験を積ませて頂いたゆえのことです。本当にありがたきこと。

マスタリングと感情移入は別のお話なので、また項を分けてお話できましたら。

 

 

ここからはさらなる蛇足。

自分のキャラクターのことを一番に考えてあげられるのはプレイヤーだと思っています。何を思って、どんな感情を抱いて、どうしたいのか。本当の意味で「分かって」あげられるのはそのプレイヤーだけです。他のPLには分かりません。「こうかな?」と推測することはできても公式・真実ではない……そこに関与し得るのはKPだけです。だから、ご自分のキャラクターは是非大切にして頂けたら良いなと思っています。もちろん、卓としてどれくらい許容できるかは話し合いで決めることですけれども、私のスタンスとしては考え得るメリット・デメリットをお伝えしたうえで、「それがキャラクターとして譲れないことなら、どうぞ」という気持ちです。