CoC「暗黒電脳摩天楼」へ参加させて頂きました

 「失敗してもいいからファンブルにはならないで欲しい。」


そう、思わず呟いてしまった大荒れのセッションでした。
ダイスの女神様は探索者の阿鼻叫喚がお好き……。

 

というわけでお待たせしました。先の日曜日に参加させて頂いたセッション「暗黒電脳摩天楼」の感想です。本記事にはシナリオのネタバレが含まれております。今後PLとして参加される可能性のある方はお気をつけ下さい。

【シナリオの概要】

舞台背景:現代日本、クローズド

『あらすじ』
あなた(たち)は、IT企業「アストロコネクト」が開発した次世代型コンピュータ「PLUTO」の完成披露パーティーのために、同社の本拠地となる超高層ビルを訪れることになります。会場には多くの報道陣も招かれ、盛大なパーティーが行われる中、会場である異変が起きて…。 

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参加前、シナリオの概要を読んで「どっとはっく?」と思わず呟いておりました。アストロコネクトですし、PLUTOですし、これ絶対作者意識してるでしょ…!意味の分かる方がいらっしゃったら握手をしたい。

実際の内容は、囚われる先がゲーム空間ではなく現実のビル内だっただけで、脱出モノというところは概ね予想通りでした。パーティに参加していたらビルから出られなくなっちゃった!マザーコンピューターなるものが勝手に動いているらしい?困った!というわけで、他2名の探索者さまと一緒に脱出を目指します。男性1人に女性2人のパーティ、ちょっと凸凹感のある辺りがまた楽しい。

あらすじから読み取れる通りPLUTOが物語の鍵となっていて、途中からPCの探索を手助けしてくれます。といってもアクティブに「助けますよ!」という感じではなくて「必要なことがあれば聞いて下さい、答えられる範囲で答えます」というスタンス。PLとしては中盤まで「PLUTOとフリートークして仲良くなってみたいけど、思った以上にシステマティックだから無理かなあ」と感じていたのですが……。

PLUTOは「自分は元々人間だった。ビル外への脱出を助けてあげるから、その見返りに自分が元に戻れるよう助けて欲しい。」と言って探索者達に接触してきます。ビル内の探索を進めると自然にこの発言の裏が取れますが、一方でPLUTOが生身の人間に戻れる可能性がほぼゼロに等しいことも分かります。PLUTOの言う「元に戻る」とは何を指すのか。マザーコンピューターとPLUTOの関係は?その辺りを絶妙に曖昧にしたままシナリオは進んでいきます。

PLUTOに個性、人間性というものを感じるタイミングは基本的には無かったと思います。終わってみれば敵か味方か分からないという状況を演出するためにも必要な措置でしたし、フリートークで仲良く、なんて無理だったわけです(笑)ですので、これはシナリオ的な演出意図とはちょっと違ったかもしれないのですが、一箇所だけPLの主観としてPLUTOに人間味を感じたシーンがありました。それは、ビルの上層階にある開発室の前に着いた時のイベントで、PLUTOが「ここに来たことがあるような気がします」という発言をするというものです。これは探索者側からのアプローチ無しの強制イベントだったと思うのですが、この発言が心なしか嬉しそうな風に聞こえたんです。KPが口頭で伝える発言だったので音声マジックも多分あったことでしょう。 ただ、シナリオ参加当時は「(知っている場所に来られて嬉しいのかなあ…)」とふんわり思いまして。この辺りから心情がPLUTOに寄っていき、何とか助けてあげられないかと考えながらシナリオに取り組んでいました。

そんなわけでPLUTOが敵側である可能性についてはほぼ検討をせず、指定の場所にたどり着いて指示通りにPLUTO復活の作業を行いました。目を覚ます(再起動)までに少しだけ時間があるということで小さな描写というか探索の時間があったのですが、そこで改めて情報を見直しているうちに「あれ。もしかしてこれ、PLUTO=マザーの可能性……えっ…」と気付いてしまいまして。既に指示された復活作業は完了しておりましたので、「やっちゃったかな、やばいかな…!?」と悪寒で心臓が飛び出る勢いで待っておりましたら……。

「わたしをころしてください」

(`;ω;´)これは、ずるい……

 もう、ほんと、PLUTOが敵なのでは?って可能性に直前になってやっと気付いたところだったんですよ。敵だったら絶対絶命だって思っていただけに、PLUTOが復活して最初に発したこの台詞が心に刺さりました。あの時モニタを前にしてゲンドウポーズで頭を垂れていたのが私です。もう、疑ってごめんね、助けてあげられなくてごめんね…という気持ちでいっぱいいっぱいでした。辛い。でも前に進まなければいけない。ああ、これがシナリオなんだなあ、と思いながら無い頭をフル回転して結末に向かいました。

その後もPLUTOの散り際が物凄く切なくて涙を堪えて前に進んだりとか、器用貧乏上等でつけていたマーシャルアーツ56%が2回も火を噴いたりとか、相変わらず他PL様お二人の声の聞き分けを間違えたりとか色々あったのですが、最終的には無事にトゥルーエンドに辿り着くことが出来ました。楽しく、心に残るセッションを本当にありがとうございました。

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ちなみに、ダイス目は大荒れのセッションでした。ダイスロールのログを確認してみたところ、セッション中に1D100を振った158回のうちファンブルは12回。うち4回が100ファンブルでした。クリティカルはたったの5回…。確率にするとファンブル7.6%、クリティカル3.1%です。足して10%だから辻褄が合っていると思ったら大間違いですよ…(笑)。後半、余りのファンブルの多さに恐れをなして1D100をチャットの発言欄に用意しながら呟いたのが冒頭の台詞でした。よく生還トゥルーに辿り着けたものだとしみじみします。何はともあれ、終わりよければ全て良しです。

次回はいつ参加できるかなあと募集を眺めつつ、継続探索者可のセッションがありましたら向坂は積極的に使わせて頂きたいなと思っています。ビビリ屋でコミュ力高め設定の男性PCは他PC様との交流をさせやすくて便利だなあと再認識です。それでは今日はこんなところで。また何れ。